本記事の内容
・「休養学」の内容をポイントを絞ってご紹介します
著者:片野秀樹
日本リカバリー協会代表理事博士(医学)
「休み方」を20年間考え続けた専門家がついに編み出した「休養学」のポイントを絞ってご紹介します。
疲労感は体からの警告である
ポイント
・疲労感とは「これ以上活動を続けると危険ですよ」と言う警告
疲労感とは「あなたは疲労しています。これ以上活動を続けると危険ですよ。今すぐ休みなさい」と言う警告アラート、もし体が疲労感と言う危険信号を発しなければ、私たちはどこまでも身を酷使して、そのうち病気になってしまいます。最終的には死に至ることもあるでしょう。
体が発するアラートは疲労感の他に痛みと発熱があります。痛みと発熱は我慢しにくいため、すぐに病院に行きますが、疲労は我慢できてしまうため、体が発する疲労の信号をなかなか素直に受け入れることができないのです。
休養学が定義する「7つの休養モデル」
ポイント
・転換タイプ
・造形、想像タイプ
・娯楽タイプ
・親交タイプ
・栄養タイプ
・運動タイプ
・休息タイプ
転換タイプ
環境変える
洋服を着替える、外出する、部屋の模様替えをするなど、中でも1番は普段と全く違う環境に身を置く旅行です。
造形・想像タイプ
創作活動全般
絵を描く、詩を書く、日曜大工など1つのことに集中することで疲労を忘れることができます。地図を見て旅行の想像をするだけでも効果があります。
娯楽タイプ
趣味、嗜好
音楽や映画など自分のやりたいことをする。娯楽とまでは言えなくても「鼻歌を歌う」「爪を切る」といったことも気分転換になる。気分転換リストを作っておけば、ストレスの最中でもすぐ気分転換できるので、効果的。
親交タイプ
スキンシップや会話
自然に触れることや、スキンシップやハグをすることで副交感神経を整えるオキシトシンが分泌され、リラックスできる。言葉を交わすだけでも十分親交になる。森林に行くことでリラックス物質のセロトニンが分泌される。
栄養タイプ
食べ過ぎない
腹八分目にすることで寿命が1.5倍になる。食べすぎないことが体を休めることになる。甘いものは疲れを取るのではなく、疲れを一時的に覆い隠すだけ、寝る前に食べるとかえって興奮して寝付きが悪くなります。
運動タイプ
運動
運動すると血液の流れが良くなり、老廃物の除去が促進され、疲労感の軽減につながる。
休息タイプ
睡眠、休息
「今日は数時間横になって休もう」と自分で決めて休憩をすることが必要。暇だからと1日中ゴロゴロしているのは活力を高められずむしろ悪影響。
すきま時間こそ休養をするのにぴったり
ポイント
・5分、3分、1分でできる休養はたくさんある
休養を考える時「土日で休もう」というように考えがちですが、1日まるまる休養にあてるというのは簡単ではありません。
ちょっとした隙間時間でも十分に休養にあてることができます。椅子から立ち上がって深呼吸をする、思いっきり伸びをする、お弁当を食べる場所を変えてみる、など少し行動を変えるだけで休養の質がどんどん高まっていきます。
休養学
まとめ
ポイント
●疲労感とは「これ以上活動を続けると危険ですよ」と言う警告
●休養学が定義する「7つの休養モデル」
・転換タイプ
・造形、想像タイプ
・娯楽タイプ
・親交タイプ
・栄養タイプ
・運動タイプ
・休息タイプ
●5分、3分、1分でできる休養はたくさんある
疲労と言うのは、いつの時代も軽視されがちですが、放っておくと病気になり、いずれは死に至るということを改めて考えさせられました。「運動はまた今度にしよう」「仕事が落ち着いたら休もう」などと言っているうちに体はどんどん疲弊していきます。「最近、昔と違って疲れが取れなくなってきたなぁ」と感じている人にこそ読んでもらいたい1冊です。疲労に対する意識を変えて、老後も元気に過ごせる体をつくりましょう。